2008年10月27日月曜日

■武道と腹・・・丹田呼吸法(3)

4、精神を全身に充たす方法

4-1、雑念を取り去り意識の統一

 精神を全身に充たす、即ち渾身これ魂となるには、まず初めに於いて雑念を取り去り意識の統一が出来るようになることが先決問題である。言い換えれば、精神を一定の場所に集め、一定の事に集中する稽古に習熟しなければならないのである。

 然らばその一定の場所とはどこか。その場所は丹田であり、事は敵手である。まず丹田にウムと精神を集注する。そして敵手に全心をそそぐ。



4-2、精神力を全身に
 この精神の丹田における集中と、敵手への一心が凝り固まり、凝り固まった結果、それが漸次に拡充する。即ち始めは丹田にのみ凝固して居った精神力は次第に拡充して、遂に全身に及び、ここに全身ことごとく精神となり、心識となって沢庵禅師のいわゆる「心を何処にも置かねば、わが身いっぱいに行きわたりて、全体に伸びひろがりてあるほどに、手の入るときは手の用を叶え、足の入る時は足の用を叶え、目の入る時は目の用を叶え、その所々にっゆきわたりてあるほどに、その入る所々の用を叶うなり」とある。そこにまで到達することになるのである。

4-3、丹田に精神を集注する目的
 それ故「丹田に精神を集注する」ということは、最初の手段であって最後の目的ではない。けれどもその最初の手段に於いて成功しなければ、容易に最後の目的点に到達することは出来ないから、そこで腹力を養成してそこに精神を集注し、そこに気力を養わねばならぬということを唱道するのである。









 

 

0 件のコメント: