2008年10月27日月曜日

■武道と腹・・・丹田呼吸法(2)

3、「全身これ心」となるために

3-1、方法は二つ
①30年、40年と長い歳月全身全霊を打ち込んで苦練修行し通した結果、それも天分豊かな人のみ。
②何か禅とか瞑想とかの特別の方法により意識修練の錬磨をやってその域に達する。

3-2、「苦練修行」の場合
 苦練修行によるのは容易のことではない。第一に体質の優れた無類な健康人であって、しかも気根精力ともに絶倫の異常人でなければ、断じて不可能である。古往今来その道に一身を投じてしかも名をなし、家をなした者の少ないのはこのためである。
3-3、「禅・瞑想」の場合                            
 そのため古来から、その道に入ってその技に熱衷し、一面において禅を修し、瞑想を凝らして精神錬磨に努力し、かくして「全身これ心」の奥儀に達する道を選んだその道の達人も少なくないのです。
 しかし禅や瞑想であっても、昔の超常的傑物であって始めてようやくその堂奥に入ることのできる難行道であって、体質気根ともに劣弱な現代人ができるものではなく、「入る者兎毛の如く、成る者麟角の如し」が実際であることから推して知ることができるのです。

3-4、「腹の力」による
 そうであるなら、いかにしてその要諦を掴むことができるのか。それは「万芸の奥儀真髄は腹に凝固せる気力によってのみ把握さるるのである」という。その腹の力、腹に凝り固まった精神気力、それによってのみその奥儀も真髄をも我がものとすることが出来るのである。
 要するに剣道は無論、全て武道の極意は、腹の気力要請によってのみ得られることになるのである。

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